心理テスト

アイスを食べると不安に? 「乳化剤」で不安行動が増す恐れ

Point
・アイスの乳化剤に使われるCMC、P80をマウスに与えると腸内細菌が変化
・乳化剤はマウスの不安様行動、社会的行動も変化させ、脳への影響が考えられる
・行動の変化には性差があり、そのメカニズムに免疫系が関与している可能性

夏はもちろんですが、冬にあったかい部屋で食べるアイスは最高ですよね。

ところが、アイスやチョコレートなどの食品に多く使われている「乳化剤」が、脳に悪い影響を与える可能性が明らかになりました。研究は1月17日付けで「Scientific Reports」に掲載されています。

Dietary emulsifiers consumption alters anxiety-like and social-related behaviors in mice in a sex-dependent manner
https://www.nature.com/articles/s41598-018-36890-3

乳化剤でマウスの腸内細菌が変化

アイスにはあの滑らかな舌触りを出すために「カルボキシメチルセルロース(CMC)」や「ポリソルベート80(P80)」といった乳化剤が使われています。ジョージア州立大学のデブリーズ氏らは、このCMCやP80を水に加えてマウスに与え、腸内の細菌の種類を調査。その結果、乳化剤を与えたことにより細菌の種類や割合が変化していることがわかりました。

また、この腸内細菌の変化は小腸の「炎症」も起こすことがわかっています。炎症とは、傷などを治そうと免疫細胞が集まってくることで、集まってきた免疫細胞は他の組織に影響する物質を産生します。たとえばメタボリック症候群の原因として、全身の炎症が考えられています。つまり、デブリーズ氏らの研究により、乳化剤は炎症が原因と考えられる多くの病気に関連する可能性が示されたことになるのです。

さらに、メタボリック症候群などが増えた20世紀半ばには自閉症などの行動障害も増えていることがわかっています。このことから、現代の化学物質にさらされることで脳に変化がおきていると考える科学者もいます。

ナゾロジーでは以前、腸内細菌の生成物が神経性の病気の進行に影響をあたえる可能性があるとお話しました。また、腸でよく見つかる細菌は脳でも発見されています。腸と脳は離れているのであまり関係がないように感じますが、細菌から見ると腸と脳は密接な関係にあるのかもしれませんね。

オスでは不安様行動、メスでは社会的行動

またデブリーズ氏らの研究では、乳化剤によってマウスの行動にも変化が見られました。変化には性差があり、オスでは不安様行動(人間における不安行動)が変化し、メスでは社会的行動をしなくなったとのこと。このことからも、乳化剤が起こす腸の炎症は、脳や行動に影響する可能性があるといえます。

性差がある体の機能としては免疫システムが知られていますが、免疫システムは腸内細菌を管理するところでもあります。昨年末に日本人がノーベル賞を受賞したことで知られる免疫チェックポイント阻害薬「オプジーボ(ニボルマブ)」についても、その有効性には性差があるそうです。

がん免疫療法の効果に男女差はあるのか | CareNet
https://www.carenet.com/news/general/carenet/46208

デブリーズ氏も、マウスの行動の変化に性差があるメカニズムについては、免疫システムが関与している可能性を考えているようです。

 

冬のアイスはとけるのを気にせずのんびり食べられて、幸せな気分になりますよね。しかし、まだマウス実験とはいえ、乳化剤の入ったアイスを食べると不安が増強する可能性があるなんて…。まあ、「食べたら太るかも」という「不安」は前からあるんですけどね。

「第六感」は腸から来ていた? 腸細胞にもシナプスが存在することが示唆される

reference: medicalxpress / written by かどや

情報元リンク: ナゾロジー
アイスを食べると不安に? 「乳化剤」で不安行動が増す恐れ

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